老人ホームの求人で重要な鍵を握る院長や事務長との条件の調整と面接

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求人に頼る老人ホーム

「頼みます。紹介してください」
「……わかりました。ご紹介出来るよう、なんとか頑張ります…」
求人をめぐるケア施設との会話である。ここでいう「紹介」とは、私のような求人コンサルタントを介して、人材を雇い人れることをいう。私が紹介するのは、大まかに言えば病院で働く人材。主に常勤である。付き合うのは一般企業ではなく、殆どが病院である。
実際にこの「求人」が成功し、病院に就職が決まった場合、求人コンサルタント(エージェントともいう)を擁する求人サイトに紹介料を払う。料率は求人サイトによって違うが、総年収の15~30%が平均的である。数字にすると小さいがその年収は一般より高額なので、それなりの代価だろう。
これまで施設は派遣される地盤を整えるため、大学との連携を何より重規してきた。専門の求人会社は20年以上前から存在していたが、派遣に影響しかねず、手を出さない老人ホームが少なくなかった。しかし研修制度が変わり、出身学校で研修を受ける必要がなくなった。思い思いの施設へ研修で飛び出していき、人材源であったはずの学校に人はいなくなる。そうなると、派遣していた介護福祉士を呼び戻すほかケア行為の存続が出来ない。地域医療の糸が切られた各地の老人養護施設は、独自の手立てを探すほかなくなった。
施設と学校を繋ぐ糸が徐々に細くなり、施設に介護福祉士がいて当たり前の時代が終わった。育成機関も療養施設も、必死の思いで介護福祉士を呼び寄せなくてはならない。こうして、当初は業界から煙たがられていた、こういった事情を背景に求人サイトが増えることとなった。見るからに古びた設備で、施設内を歩いていると時折異臭が鼻につく。通路まで医療器具や不潔物が置かれ、高齢者にとっても職員にとっても、最適な環境とはとても言えない。事務員や看護師もみな年齢層が高く、業務に圧倒されているような閉塞感が、静かな病院の隅々までただよう。
「うーん…。無理かもしれないな…」
冒頭の会話は、私が応接室を後にするとき、事務長から掛けられた言葉である,たった数十分の事務長との会話と、ホーム全体の空気から全てをとらえることは難しいが、求人で探してまで入りたがる職場ではないことは確かだ。しかし、例え設備が古くても、若さに溢れる職員に乏しかったとしても、施設長の理念に共感したとき、転職を決断する介護福祉士もいる。また高齢の職員が多いということは、人間関係が良好で長く勤められる環境なのかも知れない。どんなケアセンターでも理事長と会うまで、その真価は分析出来ない。今日は事務長との面会だったが、求人の紹介で縁があったとき、ぜひ施設長とお目にかかりたいと思った。

 

■情熱の介護福祉士

ザワザワザワ・・・松葉杖で受付に立っ青年、ぐずる子供を自動販売機へ連れて行く若い母親、世間話に興じる老人たち。クリニックの中は人で溢れている。大阪市のタ方。とある施設の部長に、求人状況について話を伺いに来たのだが、この様子ではまだまだ落ち着きそうもない。観念して、呼ばれるまで待つことにする。スタッフは全員元気がよく、施設へ来る患者の憂鬱も吹き飛ばしそうな空気である。一時間ほど経つと夜診の人波も引いてゆき、いよいよ施設長との面談となった。
黎明期の苦労話や開業までの経緯、求人の扱いについてや、経営の方向性と展望についてなど、施設長の話に聞き入っているうちに、23町30分。4時間も話に若き速まれていた。肝心の勤務条件など急いで確認し・・・退散。
暗くなった道を歩きながら、施設長の腹蔵ない話を伺えた4時間はお金に換えられないと思う。全ての老人ホームがそう、という訳ではないが、報酬など待遇面でアピールするケースが多い中で、中小企業(小規模老人ホーム)は理事長の人間性で訴えるのが一番と感じておられるようだった。事実、センター内の空気や方向性は、そのまま理事長の人柄の一端を表していることが多い。その真摯さと医療への思いを、創世記の会社をもつ我が身に照らしながら深夜の事務所へ向かう。熱い話を熱いうちに形にする(この場合、転職登録票に条件を入力し、アピールをまとめる作業)ことで、求人に訴える力を保てる気がする。自分なりのジンクスだ。

■人脈

「すごいですね。専務長に就任して3ケ月で、3人もの介護福祉士を招牌ですか。」
「いやあ、別に大した事はしてないんですが、今この施設で働いているから(介護福祉士も)来ないですかって云うと…」
専務長は医療従事者と「現場」での接点こそないものの、人的マネージメントを通してスタッフから大きい信頼を寄せられることも珍しくない。オ覚に抜きんでた人のなかには、職員不足で経営の危機に瀕する職場に迎えられ、これまでの人脈を通じて介護福祉士などを招き入れ、傾いた体制を整え、水平飛行を始めた頃に再び別の医療機関に引き抜かれる例も実際にある。落ち若いた頃に、実質の運営者との対立が始まることも珍しくないが…。
専務長は施設の要職だが、職員から信頼される人間力が如実に反映する立場といえるだろう。「資格ありき」の病院でも影響力は小さくない。それだけに、事務長から求人の誘いを受けた知人がこの施設に移るのは決して不思議ではないのだ。しかし…いくつもの神話をもつ事務長さえ、求人での採用に苦戦を強いられているのが今の時代だ。冒頭の事務長の、3ケ月で3人もの介護福祉士を招聘したという話を今ひとつ信じきれない。数か月で、そんなに簡単に何人も求人で獲得できるものだろうか。それとも空前絶後のやり手なのか。

人生の岐路に立っった時、信頼出来る人に相談することがべストだろう。しかし転職の場合、職種を問わず自分を客観視する作業がどうしても必要といえる。求人のスペシャリストに相談するか否かで、自身が受けるメリットに格段の違いが生じる。コンサルは、結局はクライアントの利益を最優先して考え、そこに主観はない。依頼者の木当の希望は何か、医療に対する考え方、求人の先にある人生にどういう展望を抱いているか。全身を感性にして施設との双方と対話し、初めてマッチングに成功するのが私たちである。年日の日課は試行錯誤であり、求人コンサルタントには神経性の不調を抱える者が少なくない。専務長も相当に精神的な重圧を強いられる仕事だが…。冒頭の話の後、なぜかやる瀬ない思いが残ったのも事実である。

■求人での介護福祉士の獲得

いくら公募しても、採用どころか応募すらないと嘆く老人ホームは多い。近年は介護福祉士のみならず看護師の不足まで深刻化し、人材獲得に奔走しているのが各地の医療機関だ。人が集まらず、施設から苛立ちの催促を受けることも一度二度ではない。
介護福祉士については、資格を眠らせている潜在介護福祉士が相当数いると思われる。結婚で引退する介護福祉士や、過酷な現場から他業種へ転職した介護福祉士、資格を取っただけで使っていない未経験介護福祉士など眠れる宝を掘り出すべく、勤務体系や給与・待遇まで涙ぐましい妥協をして働きやすさをアピールするものの、同様に反響は思わしくない。介護福祉士の仕事が重労働という点にも理由があるのだろうが、やはり求人に向ける考え方が時代とともに変わってきているように感じる。生命を預かる職業という奉仕の精神より、求人への応募では自分のライフスタイルを充実させたいという思いが優先するようだ。私の会社にも介護福祉士の登録はあり、人材獲得に奔走しているケアセンターへ紹介するチャンスと意気込むものの、介護福祉士との対話を深めるごとに、この求人条件では無理だなと肩を落とすのがお決まりのパターンになりつつある。例えば夜勤なし、入院患者を看なくて良い外来業務だけで、正職員への求人など。クリニックでならあり得る求人条件だが、施設がどれだけ妥協しても、高度高齢者のいる病棟を一切看ない介護福祉士ぱかり集まったのでは、何より老人のためである意味が無くなってしまう。この「病棟業務」を巡る施設と医療従事者との業務意識のズレが、実は介護福祉士不足の鍵かも知れないと思うが、求人コンサルにとっては両者に妥協を促すほか求人と採用をつなげる方法はない。正直に言うと、介護福祉士の求人の方が私には難しい。
施設の命運は医療従事者が握っていると言っても良く,良い介護福祉士を採用すれば施設の発展が見速める。しかしその逆がマイナスかといえば、そうでもない。厚生労働省の定める基準に準拠するには、人数ありきなのだ。ただでさえ勤務条件を巡って介護福祉士の採用に難航する昨今、医療機関は人材を巡って熾烈な競争下にある。
求人サイトの受け入れには消極的な医療機関はまだまだ多い。紹介料が惜しい、求人などで介護福祉士を採用しては施設の伝統を傷つける、などなど…。紹介料の分を、職員に直接支給したい気持ちは解る。しかし広く求人を出して迎え入れることで、施設と介護福祉士が受ける実質的な利益を考えれば、高い出費にはならないはずだ。また求人サイトを受け入れることで、採用するしないはともかく、人と会うチヤンスは広がる。老人ホームのメンツを潰す事態でもなく、競争に生き抜くうえでも損はない。と思うのだが、なかなか伝わらないものだ。

■求人サイトの受け入れを決断できない事務長

「専務長の立場上、求人サイトをうけいれられないのは仕方がないのか」心で眩く。だいぶ前に事務長から依頼された非常勤の募集。ちょうど条件の合う就職希望の登録があり、面接までスムーズに続いたが、その後施設からさっぱり音沙汰がない。専務長に何度も状況を問い合わせるが、その度にもう少し待って欲しいと回答を延ばされるだけで、明確な返事がない。提案した入植希望者は物腰も穏やかで、経歴にもスキルにも問題なく、病院が慎重になるにしても理由が思い当たらない。
介護福祉士にどう言って待って貰おうか…。
これまでの経験から言うと、採用には事務長ではなく、理事長が判断することが多いようだ。大手チェーンではアルバイトは事務長判断で採用するケースもあるが、民間の中堅老人ホームだと理事長が人事決定権を全て握っている場合が多い。そうなると院長は多忙に紛れ、アルバイト程度の面接なら回答を伝え忘れることも起こり得る。

専務長と院長達とのタイミングが会わず、なかなかこちらに返事ができない状況とも考えられるが、今回はいくら何でも待たされる時間が長すぎる。ふと、何かあるような勘が働く…。このデイケアセンターとは長い付き合いだが、ひょっとすると同時進行で別の求人エージェントから提案された介護福祉士を選考中かも知れない。そうでなければ、採用するタイミングを全く図れない事務長、理事長なのかの判断はつかないが、求人はタイミングだ。これ以上介護福祉士に返事を待たせるのは当方にとって賢明ではない。違う施設を提案すべきだろう。

 

■求人での面接後の紆余曲折

「では詳細について、この後私がもう一度施設側と話を詰めますので、連絡をお待ち戴けますか」
求人での面接直後に伝えた言葉だ。
施設の面接で顔を合わすまで、当然ではあるが求人サイトのアドバイザーは両者と綿密な交渉を重ねる。匿名の状態でキヤリアを提示し、療養施設にとっての採用メリットをアピールすることから始まり、求人への応募で希望する年収や勤務形態、介護福祉士から施設への質問など。就職する上で知りたい施設の情報を個人情報に抵触しないギリギリのラインに踏み留まりながら提供し、両者が「是非会いたい」と思わせるまで引き寄せる。面接まで一息に進むケースもあるが、通常はこのようにゆっくりした流れだ。
いざ面接を迎え、理事長からも直々に是非お越し戴きたいという言葉があっても、面接後は安心できない。よくある話だが、両者がお互いの条件を納得したと思って設けた面接でも、その後に条件がひっくり返されることがある。
「あの介護福祉士には是非来てもらいたい。でもね、当所の同年卒とのバランスがあるから、この勤務日数でこの年俸は難しい」そんな大事なことは、面接前に言ってくれれば調整のしようもあったんだと、恨み節の一つも怒鳴りそうになるが、ここで挫けてはいけない。急いで仕切り直しをし、就職希望者に妥協の余地があるか否か、もしあるなら代わりの求人条件は何か、丁寧に聞き取っていかなければならない。しかし、面接後に条件を変えられると、誰でも裏切られたような気持ちがするものだ。その施設への信頼も一気に無くなる。ストレートに、経営者がこう言ってますと言えられれば楽だが、やり場のない怒りがコンサルに向かっても不思議はない。何より、転職の希望条件と地道な連絡を積み重ねた末に、ようやく築かれ始めた信頼を失うことが最も恐ろしい。よく社員にも話すことだが、一人の信頼を失うとは、その知人友人何十人もの信頼を失ったことになる。医療の世界は狭い。悪い噂ほど早く広まるものだ。求人コンサルは信頼だけが身上である。これを失っては仕事にならない。
介護福祉士の希望条件が複雑で、面接を設定した施設の他に該当する老人ホームがない場合、その老人ホームへの印象やモチベーションを下げないよう意識して交渉しなくてはならず、これは至難の業と舌言っていい。担当する求人応募希望者には直球の話を心がけるようになったが、これは経験があって出来ることかも知れない。まだ若い求人コンサルには難しいだろう。
面接が終わってからの条件交渉は、話を流すようなものだ。嫌な話は最初に明かすのが一番いい。これは、求人のぽ宇ぼする側も同じである。どうか、ご注意を。

 


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